私たちをとりまくIT環境は、パソコンの時代から”ブラウザの時代”へと変わってきています。ブラウザ時代の3つのキーワードは「マルチデバイス」「クラウド」「ソーシャル(SNS)」です。もうすでに、みなさんも知らないうちに利用されているかもしれません。
マルチデバイスとは、映像や画像、音楽、文章、ホームページ上の情報が、スマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、テレビ、パソコンなどから等しく利用できることです。マルチデバイスだと、例えばインターネット上でレンタルした映画を通勤時はスマートフォンで観て、つづきを会社のパソコンで観て、そのまたつづきを家のテレビで観るというような使い方です。このように混在するこうした機器の間でデータを同期したり送受信することにより、時と場合に応じて利用・視聴する端末を使い分ける使い方がマルチデバイスです。すでに動画配信サービスの「Hule社」の動画はこのような使い方ができます。ちなみにHule社のスローガンは「Anywhere, Anytime」。仕事でも同様で、社内のパソコンで作成した資料を営業先でタブレット端末に表示する、といった利用法がマルチデバイスです。
クラウドとは、私はインターネットと理解しています。プレゼンテーションソフトを使ってスライドを作るとき、インターネットを雲の形のテンプレートを使うことが多かったのが由来となり、インターネット=クラウドになったと聞いています。クラウドの利用としては、写真やファイルをインターネット上に保存するサービス、身近なところでは「Dropbox」や「Google」などのサービスがあります。ですが、もっと革命的なのは、パソコンなどのデバイスにアプリケーションソフトをインストールしていなくてもエクセルの表計算や、ワードでの文章作成などが出来るとこにあります。ホームページの作成やページの修正・更新もパソコンにインストールした専用の作成ソフトを使わなくてもブラウザ上で出来るようになってきています。こうなると専用のパソコン、デバイスは必要ありません。このようなことが出来るのもブラウザとHTMLの進化にあります。クラウドとは単にインターネット上ファイルを保存するだけでなく、ブラウザを通して今までパソコンで作業していたことと同等のことが出来るようになることなのです。
SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、代表的なサービスにLINE(ライン)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などがあります。最初は単にメッセージのやりとりだったサービスが、多くの人が利用していることから、次々にいろいろなサービスが開発され追加されています。使いやすさと、さまざまデバイスで手軽に利用できることもその理由の一つでしょう。
今では電子メールよりも便利で使いやすいし、私はSNSの出現で電子メールはなくなっていくと思っています。これから、個人と個人、サービスと個人、会社と個人などいろんなコミュニケーションがSNSに置きかわって行くと思います。
1993年ごろのDOS/V革命から、その後のパソコンで何でもできるマルチメディアの時代、通信環境の高速化を経て、今はマルチデバイス、クラウド、SNSの時代になりました。デバイスと人の間にはブラウザが存在します。1995年11月23日マイクロソフト社がブラウザ付きのOS「Windows95」を発売したときビル・ゲイツ氏がつぶやいた「これからはブラウザの時代だ!」というのが20年後、現実となって来ています。
ブラウザはもはやパソコンやスマートフォンの中だけにあるのではなく、さまざまなデバイス、タブレット、携帯ゲーム機、テレビ、カメラ、冷蔵庫・電子レンジなどの家電、車のカーナビ、腕時計、体重計などの中にもあります。こうして私たちが使っている身近なデバイスにブラウザが装備されインターネットにつながることを前提としたモノが増えていくでしょう。身の回りの多くのデバイスがインターネットにつながる「Internet of Things」(IoT)が注目されています。
私たちが日常使っているモノがインターネットにつながることで、新たな付加価値を生み出すモノがますます増えてくると思われます。
つづく
(文責:中島正雄)
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