いつも私たちは何かをしたくてブラウザで検索します。
博報堂DYグループが行ったインターネット利用状況の調査によると、検索したりニュースのポータルサイトを見たりするなど、ネットの情報収集に費やす時間は1日平均50分といいます。
今のホームページの原型は、イギリス人のティム・バーナーズ=リーが「みんなが持っている情報を整理して、みんなで見れるように」というファイル共有の考えを、アメリカ人のテッド・ネルソンのハイパーテキストのアイディアを使い実現する企画書を書いて作られました。このとき、ホームページに文字や写真や動画などを表示する作法を「HTML1.0」といいます。そして、今の標準は「HTML5」です。ブラウザはコンピュータだけのソフトウエアやアプリではなく、スマートフォンやテレビ、家電製品、自動車にも組み込まれ、パソコンと同様にインターネット上にある情報を共有することができます。
ホームページは、1993年「Mosaic(モザイク)」というブラウザが開発され一般に広まりました。以来ブラウザは進化し続けています。 2005年ごろ「Web2.0」と言われたブラウザは大きな進化をしました。それは、ブラウザの中でもプログラムが動き、ネットワークの向こう側にあるサーバーの中でもプログラムが動き、このお互いのプログラムのやりとりの協調で、ものすごく早く使いやすいソフトウエアをブラウザの中で作れるようになったのです。慶應SFCの村井純教授は「Web2.0は分散処理だ」と言われます。最強のブラウザを私たちは使っています。ブラウザだけで仕事が出来る時代が近づいています。
3月9日、カリフォルニア州サンフランシスコの美術館、イエルバブエナ芸術センターで、日本時間の3月10日未明、アップル社は新製品発表イベント「Spring Forward.」を開催し、「アップルウオッチ」の詳細を明らかにしました。アップルウォッチはその名の通り腕時計型の端末です。こうした身につける端末をウェアラブル端末といいます。ウェアラブル端末が発表されたのが2年前の1月ラスベガスでの家電ショウ(CES2013)でした。同じく会場で大きくスペースを取って展示されていたのは4Kテレビ。4Kテレビもようやく近所の家電量販店に陳列されだしたので、家電ショウから私たちが手に入れて使えるまでに2年間のタイムラグがあります。ウェアラブルも同様、その言葉を耳にしてから2年後にアップルからも4月24日に発売されます。
アップルウォッチの主な役割は「時計」「コミュニケーション機能」「健康・フィットネス機能」の3つです。インターネットへの接続はiPhone経由で行います。メールの送受信や電話の機能はiPhoneがないとできません。アップルウォッチをフルに使うにはiPhoneが必須です。
今はこの3つの機能だけれど、2020年、東京オリンピックのころには、アップルウォッチでクレジットカード代わりに買い物の決済ができたり、ホテルのチェックインができたり、ホテルの部屋のルームキーになったり(自分の部屋の前でアップルウォッチを振ると鍵が開く)、車の充電量が確認できたり、自分の車を駐車した場所まで案内してくれたりもする。飛行機のチェックインや預けた荷物のピックアップまで教えてくれる。部屋のエアコンを調整したり、部屋の照明をコントロールすることだってできる。ひいきのスポーツチームのリアルタイムの試合情報や、電車の中では降りる駅が近づくと振動して教えてくれるらしい。
思い出されるのが2007年1月9日、スティーブ・ジョブズ氏は社名の「アップルコンピュータ」から「コンピュータ」を取って「アップル」と社名を変更し、電話屋になると言って「iPhone」を発表しました。3年後、2010年1月27日はタブレット端末「iPad」の発表。2011年10月5日にジョブズは亡くなりました。ジョブズが亡くなってアップル社がはじめて出す新製品がアップルウォッチです。私は携帯電話を持つようになってから腕時計をしなくなりました。アップル社が出す未来志向の腕時計をはめるようになるだろうか。
(文責:中島正雄)
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