カルチャーショックというフレーズをポジティブと受け取るべきか、それともネガティブと受け取るべきか。先日、私たちが開発中のiPadを使ったタイムレコーダー(スマートゲート(R))をプレゼンテーションをしたときに、いただいた感想だった。
わが社の社名「コンピュータリブ」は、1974年にアメリカの社会学者で、ホームページのハイパーテキストの生みの親であるテッド・ネルソン氏の論文のタイトルから引用した。このフレーズに一目惚れだった私は、創業の時の1998年4月10日に勉強仲間の太田 秀和さんのつながりで、SFC(慶應藤沢キャンパス)の大岩 元教授の研究室を訪ね、トントン拍子に直接テッド氏本人と会うことができた。そして、私のめちゃくちゃな英語とそばにいた学生に通訳をお願いし「コンピュータリブ」を社名使う了解を取りつけた。
コンピュータリブは「コンピュータ」と「リブ」と2つの単語からなる。「リブ」は”解放する”という意味で、社名を直訳すると”コンピュータを解放する”になる。この”コンピュータ”が当時とは姿かたちを変え、使う人も、使い方も変わってきている。私はこのズレに、私たちが役に立てそうな何かがあるような気がしている。現在の”コンピュータを解放する”とはどういうことだろうか。それはわが社の使命でもある。
当時のコンピュータは本体の箱、つまりハードウェアのことだった。とても高価で大学の研究室や大企業に専用室が用意され置かれていた。テッド氏が論文を発表したころのアメリカでは、個人で持つことが可能になったコンピュータ「Altair 8800」が発売されたころだった。これをきっかけに、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏がプログラミングが出来るようにプログラミング言語を公開した。マイクロソフト社のはじまりである。
コンピュータはプログラムで、キーボード、マウス、プリンタなどが着けられるようなり、マイクロソフト社の基本ソフト(OS)Windowsの登場でより使いやすくなり、さらに、低価格を実現したDOS/Vパソコンの登場でコンピュータは一般化していった。そして、パソコンと呼ばれるようになり、専門家の機械から個人で使える手軽な家電となった。
コンピュータのハコが大きかった時代、私たちは機械の前に行ってコンピュータを使った。パソコンと呼ばれ小さくなるとカバンの中に入れて持ち運んで使えるようにもなった。今ではスマホと呼ばれコンピュータは、ポケットの中に入り、手のひらの上で使えるようになっている。使う人も、使い方も変わってきて当然なのだ。
コンピュータはインターネットとつながるようになり再び革命が起きた。今まで計算機だったコンピュータは、その機能に加えコミュニケーションできる通信機にもなった。更に、ブラウザ(ソフトウェア)の登場と進化で、日常生活の買い物をしたり、銀行へ振り込みをしたり、税金を払ったり、見逃したテレビ番組をみたり、何から何までホームページで出来るようなっている。こうしてコンピュータの主役はホームページになって、私たちの生活ではなくてはならないモノなっている。
スマホ(スマートフォン)は一見電話かもしれないが、ポケットに入る立派なコンピュータである。しかも常にインターネットにつながっているので、サーバーといってもいい。コンピュータはインターネットと手を組み、テッド氏の予言通りポケットの中に入り、コンピュータ同士がハイパーリンクで限りなくつながった。メモリ(記憶装置)は、インターネットの雲(クラウド)の中にあるものを使う時代なのだ。
私たちはコンピュータを使って仕事をしているけれども、コンピュータと仕事をしているわけではない。コンピュータの向こう側にいる人と仕事をしている。コンピュータ上で動くプログラムを使って、人とつながってる。プログラムは重要で、プログラムを作れることはもっと重要だと思う。
私たちが使うプログラムの多くは、ホームページの中で、つまりブラウザソフト上で動いている。ホームページだってプログラムで出来ている。パソコンの次はプログラムの番だ。プログラムを作るのは、もう専門家ばかりではない。ビル・ゲイツ氏だってマイクロソフトにはいない。いいプログラムを作ることができればコンピュータで人を喜ばすことができる。誰かの役に立つことができる。
ホームページは専門家が作る時代から自分で作る時代になった。次はプログラミングの時代ではないだろうか。誰でも自分で直ぐに作れて、直ぐに直せるプログラム。こんなことが実現したらプログラマーにとってはカルチャーショックだ。そう、私たちが誰かの役に立てそうな時代が来ているのかもしれない。
(文責:中島正雄)
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