コヨーテヒル3333

私はアメリカに行くと近くの大学のキャンパスにある生協を覗くことにしている。これは西順一郎先生から教えていただいた旅行術ひとつ。私は、1996年から毎年11月にラスベガスで開催されるコムデックスという世界最大のコンピュータ関連の展示会に行くようになった。コムデックスは2003年になくなり、今の私の定点観測としては、毎年1月上旬に同じくラスベガスで開催されるCES(コンシューマ・エレクトリック・ショウ)という世界最大の家電の展示会を見に行ってます。私が見ていたころの展示会の主役は、ソニーやパナソニックといった日本企業でしたが、近年はLG、サムスンといった韓国企業が台頭している。会場ですれ違う人も韓国人、中国人が多くその国の勢いを感じます。

日本からラスベガスの直行便はないので、私はサンフランシスコ経由で行く。スケジュールに余裕があれば前後にサンフランシスコも泊まり、ホテルとかショッピングセンターとか街を見てまわる。これも定点観測のひとつとしている。サンフランシスコに行くとレンタカーでシリコンバレーに行く。ただそこに行ってIT企業の社屋を見て、街のレストランに入って食事をして、ショッピングセンターに行って、その場所の色使いや、並んでる商品や、人間観察をしている。

サンフランシスコからレンタカーで片側5車線の101フリーウェイを左にサンフランシスコ湾を見ながら南下しサンノジェを目指す。小1時間くらい走るとパロアルトの標識が出る。右折して、ちょっと走ると景色が原宿、青山を思わせる洒落た通りになる。その道を真っ直ぐ行くとスタンフォード大学にぶつかる。ここがITの世界の中心だ。

私は、ここに来てスティーブジョブスと同じ空気を吸っていると思うだけでワクワクする。私が初めてこの場所を訪問したのが1996年11月、まだGoogle社も楽天ないころ、インターネットも一般的には使われて無かった。私が見てきただけでもシリコンバレーにある企業も随分変わった。

シリコンバレーの中心、スタンフォード大学があるパロアルト市のパロアルトとは大きな木という意味だそうです。スタンフォード大学の裏に、裏にと言っても10キロ先にコヨーテヒルという丘陵がある。そこは、馬が静かに草を食べていたりする静かなところ、に、ゼロックス・パロアルト研究所がある。そう、パーソナルコンピューティングの父と言われるアランケイがいて、そこで、スティーブジョブスがはじめてマウスを見てウィンドウズを見て、帰りのワゴン車の中で小躍りしながら下った坂道がある。私はこの坂道を見つけたかった。今使っているiPadもアランケイがここで研究していた未来のコンピュータにそっくりだ。今なくてはならない道具の発祥の地。ITの中心はとても静かにそしてゆっくり時間が流れていたと私は思った。

近年私が注目しているのは、エバーノート社。見に行ったところまだ小さい社屋だった。ITはパソコンの時代からブラウザの時代になっている。あらゆる家電にモニターが着けられ、無線LANでインターネットにつながり、そして家電にはブラウザがある。CESでプレゼンしている未来の家電のブラウザの中に、FacebookやTwitterやYouTubeと並んでエバーノートのアイコンもある。

私はこれが気になります。 私は何を使うのがいいのかをみんなに提案したい。快適な道具を仕事に使い、事業を発展をさせ、お客さまのよろこぶ顔が見たい!

コヨーテヒルロード3333

コヨーテヒルロード3333

(文責:中島正雄)

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