写真は人をよろこばせることのできるツールだ

写真は、人をよろこばせることのできるツールだと思う。デジタル化でやり方が変わった道具にカメラがある。写真を撮ってから現像して一枚の写真にするまで劇的に変わった。現像という言葉も今は使わないほどだ。カメラはインターネットで更に進化しようとしている。

私がはじめて使ったデジタルカメラ(以下デジカメ)は、カシオのQV10だった。当初のデジカメは、通常のカメラのようにすぐにシャッターが押せなかった。スイッチを入れて起動してシャッターが押せた。それでもよろこんで使っていた。

私が今愛用しているカメラは、ニコンのD300S、これは一眼レフカメラ。と、あのライカがデジカメを本気になった作ったM8(エムはち)、こちらはレンジファインダー。そして、iPhone。iPhoneは世界で一番使われているデジカメである。最近はこの三台に落ち着いている。何も三台も必要ないと思うかもしれないが、撮り方によって使い分けている。撮られ方と言ってもいいかもしれない。

ニコンは大きくて重いレンズが何本かあるのでカメラ専用バックで持ち運ぶ。ライカは小さめのドンケのショルダーバックに入れて、iPhoneはポケットの中に入れて持ち運ぶ。カメラがポケット中に入った。この点でもデジタル化の恩恵がある。

デジタル化で仕事のやり方、写真の撮り方だって変わってくる。かつてはフィルムを買い現像をして一枚の写真になった。一枚の写真になるまでフィルム代と現像代のコスト、なにより時間がかかった。デジタル化で撮った写真がすぐその場で確認ができるようになった。フィルム代と現像代は0円と言っていい。お客さまとその場で確認しなが仕事ができる。確認作業のコストが限りなく少なく済めば仕事のやり方は劇的に変わる。デジタル化は仕事のやり方を変えるのだ。

コストが変われば使う人も変わる。カメラを手軽に使う人は確実に増えている。いろんな人がいろんなところで、カメラを使うようになる。面白くなってくる。カメラはファインダーを覗きシャッターチャンスを待ち渾身の一枚を撮る撮るスタイルから、メモ的にとりあえず撮るというようなラフなスタイルでの使い方が出来るようになった。

写真が持つ情報は、文字よりも人に伝わりやすい。撮った写真をすぐに配信するサービスもインターネット上に十分に整っている。今のデジカメで撮った写真には、写っている映像の他にも、撮ったカメラの機種、時間やGPSから位置情報を取得して場所の情報も入る。写真一枚の持つ情報量はかなりある。その情報を使い、写真と地図が連動したり、勝手に撮った日付順に写真が整理されたりして、新しいサービスや仕組みの開発や写真でコミュニケーションが出来るようになってきた。これからは写真をどこに保存するかで価値が変わってくるのだ。

デジタルとインターネットで、撮った写真がWiFi(無線通信)ですぐにインターネット上にある自分のアルバムに保存され、勝手に整理される時代。これからは整理できなくて引き出しに溜まっている写真などない。遠足のあと学校の廊下に貼り出されるスナップ写真もインターネット上になるだろう。その方がコストもかからないからかな。ちょっと寂しい気もする。

集合写真をニコンのデジタル一眼レフカメラで撮って「すみません、シャッター押して下さい」とお願いすると、「すみませんこのカメラどこで見るのですか?」と聞かれる。ファインダーを覗いてシャッターを押す時代ではないのだ。カメラという最新の機械、最終的にやっていることはきわめてアナログなのだ。

取材に持ち込んだデジタル機器

取材に持ち込んだデジタル機器

(文責:中島正雄)