2020年インターネットで、おもしろいこと

オリンピックのたびに革新的な製品が出る。今年もオリンピックイヤーだ。4年後の2020年には、東京でオリンピックが開催される。それは、私たちも新しいこと、おもしろいことに挑戦する絶好のチャンスがあるということでもある。

テレビやビデオ、カメラなどはオリンピック開催の年に買い替える人が多いことから、オリンピックごとにメーカー各社のシェア争いが活発になる。カメラに至ってはキヤノンとニコンの争いである。シェアの見極め方は意外な方法で、オリンピックのカメラマン席を写真に撮り、使っているレンズの色を数えて出すというもの。白色のレンズならばキヤノン、黒ならニコンという具合だ。ちなみに私は黒色である。

IT業界でも同じようなことが言える。過去に「ユビキダス」「Web2.0」といった言葉が生まれた。今で新しいのは「IoT(アイオーティ)」や「ビックデータ」というのがそれに当たる。インターネットで世界中の人と人とがつながった。これからは人も「モノ」も全部インターネットでつながることを「もののインターネット(Internet of Things)」といい、その英文の頭文字をとってIoTと言っている。

ホームページもオリンピックごとに革新的なことが起こる。世界的に大成功した最初のホームページは1994年2月、リレハンメル冬季オリンピックの特設サイトといわれている。これはIOCとの契約のないサン・マイクロシステムズが、あちこちからオリンピックの情報を寄せ集めてまとめた野良サイトだった。それを見てホームページの価値に気づいたIBMは、2年後の1996年にアトランタで開催されたオリンピックで公式ホームページを開設したのだ。これに刺激を受けた二人の若者が、役立つホームページのリンクを大量に収集し、使いやすく分類してリストにまとめたホームページを開設し人気を呼んだ。これが後のヤフー!である。1998年の長野オリンピックとそれに続くパラリンピックでは、視覚に障害がある人も公式サイトをよめるようにしたウェブアクセシビリティに本格的に対応した、最初のオリンピック公式サイトだった。オリンピックごとの技術革新が「ホームページで金が儲かるか」という問題の答えを出した。

今年もどんな新商品が出てくるか楽しみだ。これから売り出される機器はインターネットにつながりながら利用することを前提として作られている。洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、掃除機、体重計、ゲーム機、電子書籍端末、自動車など大小はあれディスプレー(画面(モニター))があるところに全てのブラウザが動く。ブラウザとはホームページを見るためのソフトウエアのことをいう。

今のところ2020年に向けての注目は、3Dプリンター、ドローン、自動車の無人運転ではないだろうか。あともう一つというとソフトバンク社のロボット「Pepper(ペッパー)」がある。

3Dプリンターは立体的なモノを作り出す装置。例えはいいかどうがわからないが、ドラえもんのポケットといえる。ドラえもんがポケットから”竹コプター”や”どこでもドアー”などのモノを出すように、メーカーが開発した製品の設計図をインターネットからダウンロードして、3Dプリンターに送れば、手元で同じ製品が出来るようになる。すごいよね~。

ドローンは無人で遠隔操作やプログラムで飛ぶ飛行機。総理大臣官邸屋上で発見されニュースで話題になった。ドローンの形は大小さまざまある。オンライン通販のAmazon社は、商品の配達にドローンを使おうとしている。昔だったらヘリコプターを使った航空写真も、ドローンに小さなカメラを付けて飛ばし、手元の操作で手軽に撮ることもできる。今まで困難だった建物の屋根より高い位置の空間に手軽に立ち入ることができるドローンの使い道は、災害救助や警備、農薬散布など様々なシーンで役に立つだろう。ドローンはきっとオリンピックの演出にも使われることだろう。
自動車の無人運転は2020年は実現するだろう。この分野に自動車メーカーばかりでなく、米グーグル社、米アップル社というIT企業も参入を表明している。

私の身近で気になる存在は、人型ロボットのPepper。先日、汐留で開催された「Pepper for Biz(法人向け)」の展示会は思った以上の人出だった。活用事例はPepperを受付嬢として使っているものばかりだった。PepperはホンダのASIMO(アシモ)のように二足歩行できるわけではない。手の指も多少動く程度。胸のところにiPadのようなディスプレーがあり、そこに映し出される情報を見ながら、Pepperとやり取りをする。私はロボットの形をしたiPadだと感じた。一緒に行った加藤さんとも話したが、ロボットの新しい使い方は残念がら見ることができなかった。ロボットの使い方を大人がいくら考えてもこんなものではないだろうか。唯一いいところは、プログラミングできることだ。Pepperを子どもが集まるところに放ったらかしておくと、意外とおもしろい使い方が出来るかもしれない。

これからの電気製品はモニターを持ちインターネットとつながっていて、そのモニターでホームページを見ることができる。そこに何を映すのか、あなたは見る側か、それとも見せる側かどちらにまわりますか。2020年、インターネットでおもしろいこと、一緒に考えませんか!(文責:中島正雄)

2020年インターネットでおもしろいこと(イラスト 吉田稔美)

2020年インターネットでおもしろいこと(イラスト 吉田稔美)

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