iPadの可能性

私たちは今、iPadでタイムレコーダの開発をしています。
iPadタイムレコーダの設置店舗は11店舗、登録者数は約400人。各店舗で従来のタイムレコーダ替わりにiPad miniを壁に掛けて、従業員は出勤するとiPadで自分の名前を見つけて「出勤」ボタンを押す、帰るときは同じように「退社」ボタンを押す、極めてシンプルなものを考えています。

でも、これを本当に、突き詰めてシンプルに作るのは意外に難しい。プログラム開発者にとっては、ユーザーが簡単に出来ると思うものほど難しいところがあり、その壁を乗り越えたときに、プログラマーには自分しか味わえない快感もある。だから開発も楽しい。お客さまの喜ぶ顔、驚く顔を想像しながら考えていのだろう。

私がプログラムの流れを紙に書いて開発者に渡したてiPadで動くようになって初めてのレビューの日だった。

プログラムの書き方も、開発方法も今と昔では違うのでないだろうか。私の仕様書はユーザーが実際に使う画面遷移をパワーポイントで書いたもの。パワーポイントはこういうときに使い勝手がいい。

道具や環境の変化で、シンガーソングライターも歌の作り方が変わってきたように、プログラムの作り方も、いろんなやり方が変わってきていると思う。要は、お客さまがそのサービスを使って幸せになってくれればいい。

iPad miniをAppleTV経由で会議室のテレビ画面につなぎ、プログラマーの加藤さんが開発中のプログラムを映し出しレビューがはじまった。

私がパワーポイントで書いた仕様が、iPad miniの画面に映し出された。話にするとただそれだけだけど、その画面がiPad miniに映し出された瞬間、市川さんも私も感動しました。

ボタンを押すと次にどんな画面が出てくるのか、わくわくしました。それと同時にiPadの可能性が広がりました。こういう使い方もあるのだと、みんなに教えたくなりました。

iPadの可能性はすごいね。その後メンバーで盛り上がったことは言うまでもありません。

今回の開発テーマは「出来るだけシンプルに作る」です。せっかくiPadを使っているので、載せるソフトもシンプルに作る。ボタン一つ。フォントやフォントサイズに至るまでシンプルを心がける。難しいけど楽しい。どの部品をとっても意味があり、大きさ形に意味がある。余白にだって理由がある。ものづくりってそういうものですよね。そういう理屈、私は大好きです。

まだ中間ですが、私は新しい可能性をかなり感じました。一緒いた市川さんもそうだと思います。

帰り際に私は開発者の加藤に「あの常に画面に表示されている時計はどうやっているの?」と聞くと、加藤さんは「よく聞いてくれました、、、」と。お客さまが何気無く出して欲しいと願うものが意外に難しく時間のかかる開発だったりする。でもお客さまのよろこぶ顔が見たいから、そんなことなんでもない。そんな心意気のプログラマーに出会えたことがよかった。

このプログラムはまだ滑走路にも出てはいないですが、予定どうりにランディングさせる。これが私、プロデューサーの使命です。

完成したら報告いたします。

文責:中島正雄

新しいiOS7の大幅に変わった画面やアイコンを見て、流石、Appleと思いましたね。シンプルに作るとは、ユーザーに見えてないところも美しく作らないと、本当にシンプルにならないと思います。そんなオーラを私は感じます。ジョブスがこの世を去り、ジョブスが作ったディバイスや思想に手を加えるのは勇気が必要だったと思います。